「世間学」を勉強中です。

日本の世間について語ります

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五十一、理不尽な上下関係

もちろん、きれいごとが通用しないのは、日本の世間だけではなく、欧米の社会でも同じでしょう。人間というものは、意地悪で嫉妬深いものですから、ちょっとでも弱いと認められた者は、いじめられたりするのです。 だから世間というものが全面的に悪いところ…

五十、きれいごとだけでは生きてはいけない

人は、初めて別の人に出会った時から、ある程度の判断をします。「ああ、この人、いい人やなあ」とか「こんな奴、いやや」とか色々です。 印象に残らない人に対しては、記憶にも残らないその他大勢の中の一人となるわけです。 さてそれからが問題なのです。 …

四十九、わたしはしっかり人を分け隔てしていた

デイケアに通っていても、一円のお金にもなりません。だから大部分の人は、そんなところに通っていても無駄やんかと思いながら来ています。早く働かねばと心の中で焦りながら、仕方なくそういうところに集まっているのです。 そんな場所なのに、わたしはそこ…

四十八、お金が必要だからみんな世間に属しているのだ

その上妻は、女性的な魅力もふんだんに持っていたので、男たちがひっきりなしに寄って来るのです。それもほとんどがつまらない男たちです。 簡単に言うと、あれをしたいだけの男たちだけです。妻と人間的な交流をして、お互いを高めようなどという意識は、薬…

四十七芸人扱いされる妻

妻は、精神障がい者の連中が構成する世間の中で、かなり困った立場に立っていたのです。決して嫌われていたわけではなく、逆に好かれていたのですが、好かれているが故に過大な期待をされて、それに応えることのできない妻が責められるという羽目に陥ってい…

四十六、妻を迫害する世間

さっきも書いた通り、意地悪をしてくる人を避けるのは、普通の感覚でしょう。そのことをそのスタッフに言うと、女の子は、意地悪をするどころか、妻と仲良くしたいと言っているとスタッフは主張するのです。理不尽なことをしているのは妻の方だと、責めてく…

四十五、世間に馴染めない人

たとえエリートと世の中で持て囃されても、結局そんな理不尽な自死に至るのなら、そんな評判はいらないのです。物分かりの悪い社員や役人になって、そんな世間から白い目で見られた方がいいのです。 だから、妻のように、意味の分からないことはできないとい…

四十四、意味も分からんのに命令に従っている人たち

わたしはある意味馬鹿やったから、腑に落ちないことでも何でも記憶していたものです。だからテストの点数はよかった。テストの点数はよかったけれど、自分でもどうも、自分は賢くないと、常々思っていました。 情緒も不安定であり、人としゃべってもろくなこ…

四十三、わたしの妻は賢いのかあほなのか?

妻はとても愛嬌のあるいい性格の持ち主なのですが、幻聴や妄想にまだ色濃く支配されていて、人とちゃんとした意思疎通を取ることができません。 わたしは家でいつも一緒にいるのですから、ゆっくり話を聞くことができます。ゆっくりと落ち着いた気持ちでしゃ…

四十二、わたしは世間に馴染みやすい人間だった

何度もくどく書きますが、わたしはちゃんと会社勤めをして、傍らに小説を書くという生活でもよかったのです。その方が、小説によってお金を稼がなければならないというプレッシャーもなかったでしょう。何しろ会社から毎月給料を貰えるのですから。 それにわ…

四十一、政府の福祉を受けるくらいなら、小説を諦めなさい

かくいうわたしも、どこかからお金を貰っているわけです。毎日会社に通って、お客さんたちの財布からお金をふんだくるような根性はありませんから。 わたしだってこの世に生きていて、毎日ご飯を食べられるのですから、何らかの世間に属しているわけです。 …

四十、世間とお金儲け

もちろん、わたしだってお金は入用です。お金が全くなければ、すぐ次のご飯も食べられません。お金のあるなしは、命に関わる重大事になるのです。 しかし世間というのは、そう簡単にお金をくれるところではありません。やっと誰かのお口添えで会社という世間…

三十九、戦争をしたがる世間

戦争は、たくさんの人の命の奪われる、悪逆非道な行為なのですが、どうやら経済の発展という点では、非常に役に立つもののようなのです。 以前の日本の高度経済成長も、朝鮮戦争、ベトナム戦争というものが立て続けに起こり、日本はその二つの戦争のおかげで…

三十八、儲かる世間に入りさえすればいい

わたしはもちろん社長になんかなりたいとは、毛ほども思ったことはありません。大金持ちになって、ニューヨークまで自家用ジェットを飛ばすことになんか、まるで興味はありません。 自家用ジェットどころか、普通免許すら持っていないので、自動車を走らすこ…

三十七、会社における滅私奉公

残念ながら、わたしは会社という世間の中にすっかり馴染むということはできませんでした。 小説家になりたいという夢はありましたが、何も会社というところを軽蔑していたわけではありません。 一人で暮らすにしても、誰かと結婚して暮らすにしても、とにか…

三十六、会社という世間の気楽さ

わたしは、六十三歳になる今は、もうクリニックのデイケアには通ってはおりません。妻との生活に集中しております。わたしたち二人にとって世間とは、精神医療関係の人たちとの関係における世間くらいしかありません。 仕事で来る人たちばかりなので、基本的…

三十五、日本には世間がしっかりあるということを認めるべき

阿部謹也さんも、世間には悪いところもあるが、だからと言って絶滅すべきだとは言っておられません。悪いところもあるけれど、いいところもあるのです。 「和をもって尊しとなす」という日本古来からある美徳を実行するためには、世間というのは、とても力を…

三十四、わたしの抱えている矛盾について

今も、働きに出ることなく、みなさんの税金で病院代だけではなく、生活費全般を払っていただいているのだから、わたしは日本という世間に対して頭を垂れて生きていかないといけません。 こんな世間論を偉そうに書いている場合ではないのでしょう。一日中正座…

三十三、最下層の世間

わたしもいちおう大学まで出ましたので、若い頃の少しの間はインテリという立場にいました。だからこそインテリの気持ちも分かります。 大学を出てからは、中小の企業を渡り歩いていたので、そこにはインテリはいません。パチンコの話や下ネタなどが飛び交う…

三十二、インテリの人たちは勘違いしている

阿部謹也さんは、特に日本のインテリの人たちには、世間に住んでいるという自覚がないと言っておられました。 幼い頃より欧米型の教育を受けて、海外に留学までもして、自分はフランス人やドイツ人などと変わらない、ちゃんとした欧米型の個人を持っていると…

三十一、精神障がい者を生みやすい世間

世間の改良というのは、少なくともわたしたちのような精神障がい者に落ちてしまった者たちには、手のつけようのない難題です。 大体精神障がい者になるというのは、日本的な世間にうまく入れなかった人ばかりなのです。日本に精神障がい者が多いように思われ…