「世間学」を勉強中です。

日本の世間について語ります

四十六、妻を迫害する世間

さっきも書いた通り、意地悪をしてくる人を避けるのは、普通の感覚でしょう。そのことをそのスタッフに言うと、女の子は、意地悪をするどころか、妻と仲良くしたいと言っているとスタッフは主張するのです。理不尽なことをしているのは妻の方だと、責めてく…

四十五、世間に馴染めない人

たとえエリートと世の中で持て囃されても、結局そんな理不尽な自死に至るのなら、そんな評判はいらないのです。物分かりの悪い社員や役人になって、そんな世間から白い目で見られた方がいいのです。 だから、妻のように、意味の分からないことはできないとい…

四十四、意味も分からんのに命令に従っている人たち

わたしはある意味馬鹿やったから、腑に落ちないことでも何でも記憶していたものです。だからテストの点数はよかった。テストの点数はよかったけれど、自分でもどうも、自分は賢くないと、常々思っていました。 情緒も不安定であり、人としゃべってもろくなこ…

四十三、わたしの妻は賢いのかあほなのか?

妻はとても愛嬌のあるいい性格の持ち主なのですが、幻聴や妄想にまだ色濃く支配されていて、人とちゃんとした意思疎通を取ることができません。 わたしは家でいつも一緒にいるのですから、ゆっくり話を聞くことができます。ゆっくりと落ち着いた気持ちでしゃ…

四十二、わたしは世間に馴染みやすい人間だった

何度もくどく書きますが、わたしはちゃんと会社勤めをして、傍らに小説を書くという生活でもよかったのです。その方が、小説によってお金を稼がなければならないというプレッシャーもなかったでしょう。何しろ会社から毎月給料を貰えるのですから。 それにわ…

四十一、政府の福祉を受けるくらいなら、小説を諦めなさい

かくいうわたしも、どこかからお金を貰っているわけです。毎日会社に通って、お客さんたちの財布からお金をふんだくるような根性はありませんから。 わたしだってこの世に生きていて、毎日ご飯を食べられるのですから、何らかの世間に属しているわけです。 …

四十、世間とお金儲け

もちろん、わたしだってお金は入用です。お金が全くなければ、すぐ次のご飯も食べられません。お金のあるなしは、命に関わる重大事になるのです。 しかし世間というのは、そう簡単にお金をくれるところではありません。やっと誰かのお口添えで会社という世間…

三十九、戦争をしたがる世間

戦争は、たくさんの人の命の奪われる、悪逆非道な行為なのですが、どうやら経済の発展という点では、非常に役に立つもののようなのです。 以前の日本の高度経済成長も、朝鮮戦争、ベトナム戦争というものが立て続けに起こり、日本はその二つの戦争のおかげで…

三十八、儲かる世間に入りさえすればいい

わたしはもちろん社長になんかなりたいとは、毛ほども思ったことはありません。大金持ちになって、ニューヨークまで自家用ジェットを飛ばすことになんか、まるで興味はありません。 自家用ジェットどころか、普通免許すら持っていないので、自動車を走らすこ…

三十七、会社における滅私奉公

残念ながら、わたしは会社という世間の中にすっかり馴染むということはできませんでした。 小説家になりたいという夢はありましたが、何も会社というところを軽蔑していたわけではありません。 一人で暮らすにしても、誰かと結婚して暮らすにしても、とにか…

三十六、会社という世間の気楽さ

わたしは、六十三歳になる今は、もうクリニックのデイケアには通ってはおりません。妻との生活に集中しております。わたしたち二人にとって世間とは、精神医療関係の人たちとの関係における世間くらいしかありません。 仕事で来る人たちばかりなので、基本的…

三十五、日本には世間がしっかりあるということを認めるべき

阿部謹也さんも、世間には悪いところもあるが、だからと言って絶滅すべきだとは言っておられません。悪いところもあるけれど、いいところもあるのです。 「和をもって尊しとなす」という日本古来からある美徳を実行するためには、世間というのは、とても力を…

三十四、わたしの抱えている矛盾について

今も、働きに出ることなく、みなさんの税金で病院代だけではなく、生活費全般を払っていただいているのだから、わたしは日本という世間に対して頭を垂れて生きていかないといけません。 こんな世間論を偉そうに書いている場合ではないのでしょう。一日中正座…

三十三、最下層の世間

わたしもいちおう大学まで出ましたので、若い頃の少しの間はインテリという立場にいました。だからこそインテリの気持ちも分かります。 大学を出てからは、中小の企業を渡り歩いていたので、そこにはインテリはいません。パチンコの話や下ネタなどが飛び交う…

三十二、インテリの人たちは勘違いしている

阿部謹也さんは、特に日本のインテリの人たちには、世間に住んでいるという自覚がないと言っておられました。 幼い頃より欧米型の教育を受けて、海外に留学までもして、自分はフランス人やドイツ人などと変わらない、ちゃんとした欧米型の個人を持っていると…

三十一、精神障がい者を生みやすい世間

世間の改良というのは、少なくともわたしたちのような精神障がい者に落ちてしまった者たちには、手のつけようのない難題です。 大体精神障がい者になるというのは、日本的な世間にうまく入れなかった人ばかりなのです。日本に精神障がい者が多いように思われ…

三十、世間の主観的な上下関係

西欧の人間関係にも上下関係はあります。日本の世間とは様子が違うらしいのですが、あることはあります。同様に日本の世間にもしっかりした上下関係があります。 西欧ではその上下関係がしっかり固定されているのでしょう。誰から見てもはっきり分かる上下関…

二十九、八方美人はよくない

外から見たら全く同輩としか見えない、たった一年しか年上でない人たちを先輩と崇めなくてはならない、それが世間というところのルールなのです。 若い人たちは、世間の上下関係なんか古臭いと言うわりには、この先輩後輩という間柄の上下関係には、すんなり…

二十八、世間の上下関係

デイケアに通い始めて三年くらいは、さほど馴染んでいるとはいえなかったのです。それに、正直言って、こんなところに馴染んでも仕方がないと思っていました。 ところが四年目か五年目の頃、わたしの住んでいる家の玄関にスプレーペンキを大量に吹きかけられ…

二十七、まず世間に馴染んでみる

もちろんそれはただの占いであって、そんなもん、でたらめに決まってるやんと言う人は言うでしょう。別に何を仰ってもらっても構いません。その後数年してわたしは、保健所のグループやデイケアの中で、とても明るく活発な人間に変貌を遂げたのですから。 わ…

二十六、デイケアという世間に馴染む

前にも書いたように、元々わたしはデイケアに馴染もうなんていう気はさらさらなかった。一人で生計を立てられないくらいの障がい者年金しかないんやったら、近々働きにいかなしゃあないやんと思うてた。 それなのにだんだんデイケアというところに愛着が湧い…

二十五、世間は人間関係が大事

わたしは元々人に嫌われやすい人間ではなかったので、人間関係で苦しんだことはありません。そこが他の精神病者とは違うところです。 みんな人間関係の破綻のようなものが起きて、病気を発病させた人が多いようですから。 世間というところは、ほとんど全て…

二十四、片手間で仕事したらあかんのん?

会社員になるならば、会社のために滅私奉公するというのは、日本の世間では当然のことなんですね。生活の全てが会社になって、それ以外のことは何も考えない。 それくらいでないと、会社員としてやってはいけない。わたしだって、そんな風に働いていたとした…

二十三、会社のために小説を諦めるか?

卑近な例では、家事労働というものがあります。主婦が毎日せっせと家事をしても、誰からも給料を貰うわけではありません。旦那さんから毎月生活費は渡されていますが、それはあくまでも旦那さんが会社から貰ってきたもので、主婦が独力でどこかから稼いでき…

二十二、お金の儲からない仕事

わたしが小説を書くことを中心に考えたいと言明すると、母親はひどくいやな顔をしていました。そんなんして、生活すんのはどうすんのん? と訊ねるので、もしどうしても生活でけへんかったら、生活保護を貰ういう手もある。 生活保護の話をすると、母はもっ…

二十一、いとこが白血病になってしまった

手動機の写植オペレーターの仕事は、わたしが三十五歳くらいになった頃には、もはや求人が絶えてしまいました。電算写植の仕事を教えてもらったこともあるのですが、それがもう一つ面白くない。 面白くなくても、仕事はやり続けるのが当たり前なのですね。そ…

二十、会社という世間

上層部の人々には、元々みんなで団結しようなどという意識はなかったのでしょう。世間はただ、自分たちの利害を守るためだけの道具、それだけのものだったのでしょう。 世間のルールに縛りつけられていたのは、中層部から下層部にかけての人たちなのでしょう…

十九、世間のいいところ、悪いところ

日本にある世間というところには、そういう温かい部分があるのです。だから世間の懐に抱かれて心安らかに憩える人は、十分に憩えるのです。 そこには個人主義も競争もなく、ただ母親に頭を撫でられて眠るような、限りない心地よさがあるのです。 世間という…

十八、人間関係の勉強

わたしは元々会社にいても、特別人間関係に苦しんだことはありません。これはわたしにとっては幸せなことでした。人間関係の苦しみのために自殺したりする人が多い世の中ですから。 わたしがとにかく気にしたのは、遅刻・欠勤の多さです。そのために会社の戦…

十七、給料貰えんとこに通って、どうすんねん

わたしは自分のことを、てっきりおとなしい男だと思い込んでいました。二十歳くらいまでは、ろくに他人と会話すらできない体たらくでした。 大学生というものは、あほなりに、色んな自分の意見を述べるものなのですが、そんな時もわたしはおとなしく黙ってば…